2025年10月現在、ファーストリテイリング株式会社(銘柄コード:9983)の株価は48,290円となっており、前日比で+1,580円(+3.38%)の上昇を記録しています。決算発表直後のタイミングで、海外事業の好調さやサステナビリティ戦略が投資家の関心を集めています。
決算ハイライト:4期連続の最高益
2025年8月期通期決算では、売上高3兆4,005億円(前年比+9.6%)、事業利益5,511億円(+13.6%)、当期純利益4,330億円(+16.4%)と、いずれも過去最高を更新しました。配当は500円/株(前期比+100円)と大幅増配され、株主還元姿勢も強化されています。
セグメント別の業績動向
- 国内ユニクロ:売上1兆260億円(+10.1%)、事業利益1,813億円(+17.5%)。既存店売上高は通期+8.1%と堅調で、在庫戦略とコア商品の刷新が奏功。
- 海外ユニクロ:売上1兆9,102億円(+11.6%)、事業利益3,053億円(+10.6%)。中国の減速を北米・欧州が補い、ブランド認知とECの相乗効果が成長を牽引。
- ジーユー:売上3,307億円(+3.6%)、事業利益283億円(▲12.6%)。米国展開コストとヒット商品の不足で減益。
- グローバルブランド:売上1,315億円(▲5.3%)、事業利益26億円(黒字転換)。PLSTの好調が収益改善に貢献。
財務・キャッシュフローの健全性
設備投資額は1,719億円(前年+597億円)と積極的な出店・自動化倉庫への投資が進む一方、自己資本比率は58.9%、有利子負債比率も低水準で、財務体質は極めて健全です。
ESG・サステナビリティ戦略
- CDP「Aリスト」3年連続選出
- 「RE.UNIQLO STUDIO」63店舗展開(服の修理・リメイク拠点)
- 環境配慮素材率:17%(リサイクルポリエステル比率40%)
- 2030年までに自社排出量90%削減目標
- 「ダイバーシティ&インクルージョン会議」発足による人権・D&I推進
投資判断のポイント
現在の株価水準は、成長期待を織り込みつつあるものの、以下のような投資スタンスが考えられます:
- 中長期保有によるグローバル成長の恩恵を狙う
- 消費関連銘柄としてのポートフォリオ分散
- 決算発表後の材料出尽くしに備えたリスク管理
テクニカル分析の視点
2025年10月9日時点の株価は、始値47,470円、高値48,290円、安値46,690円、終値48,290円で推移。出来高は約172万株、RSI(14)は54.05と過熱感はなく、上昇余地を残しています。移動平均線との乖離も安定しており、テクニカル的にも買いシグナルが点灯しています。
まとめ
ファーストリテイリング(9983)は、「高収益×サステナブル成長」を両立する稀有な企業として、国内外でのブランド力と財務健全性を武器に安定した成長を続けています。株価は決算発表を受けて上昇していますが、今後の海外展開やESG戦略の進捗が次なる株価ドライバーとなるでしょう。
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